痴漢が痴漢すること。

「痴漢」という言葉は面白い。

わざわざ誤解を生みそうに始めてみたのだけれど言葉としてね。

面白いと思うの。

言われれば当たり前すぎるけれども痴漢とは電車内で尻触ったり尻以外のもっとセンシティブなところ触ったり、もっと攻めの姿勢が満載で包括的に破廉恥な行為をする主に男の人のこと。

痴な漢という意味の名詞。

とともにそういった行為をすることそのものをサ変動詞で「痴漢する」と表す。

「この人痴漢です!」の場合は名詞で使っているし「この人に痴漢された!」だと動詞だし対象が特定されない状態の「きゃー痴漢!」だとどこの誰か分からないけど痴漢が現れたという名詞的な意味とどこの誰だかに痴漢行為されましたという動詞的な意味どっちもを表している。

意味がそのまんまなのでほぼ同化している単語だと言えるのでわざわざ「痴漢に痴漢された!」とは言わないわけだよね。

痴漢という人がする行為はその人が痴漢である時点でそれは痴漢と決定されている。

痴漢行為をしていない人は痴漢ではないわけで徳の高い善行だけで構成された痴漢というのはいないのだ。

もちろん普段は親切でかつ痴漢行為をしがちな人や、おちんちんびろーんってしながら奉仕活動をする人もそりゃあいるだろうがなんかそれも違うだろう、そいつらはただの痴漢だろう。

言葉の意味なんてある場面非常に限定的でありまた反面いろんな方面に広がりを見せるものだと思うが、ここまでコミカルに限定的な痴漢という単語はなんか面白いなあという話。

これ電車内で携帯電話でポチポチ書いているんだけどこんなに痴漢痴漢出てくると要らぬスリルが味わえるね。