若い意識の話。

高校から大学にかけて集めた本が今の私を責め苛む。
悪い本ではない。もちろんいい本ばかりだ。しかし社会人になってから全く読めなくなった。とにかく疲れるのだ。

外国語ができないので全て日本語の本だが、ジャンルとしてはシュルレアリスムなどの周辺。とても良い本ばかりだ。と思う。読まずに平積みされている本もいっぱいあるゆえ。
好きになった動機は中二病とかっこつけでしかない。きっかけはともかく、しっかりはまった。学生の時の読書体験は多くが海外文学かこの周辺の思想本が多い。海外文学も偏った。分かりもしない芸術方面の本も少し集めた。若いなあ。

糧になっていないとは思わないけどいやはや全く理解できなかった。この人たちは何を言っているのだ、ぐにゃぐにゃしたことばかり書いて。実体がないぞ。
ただその分からないことをかき回してまとわりつかせる、いわゆる形而上学の解説に触れていることが気持ちよかった。気持よかっただけで今でもさっぱり分からない。

あるあるだと思うけれど読みやすさとその強大さから澁澤龍彦氏の本を読み漁った。小説とかエッセイも多いから大変手にとりやすい。河出書房で文庫化されていて懐に優しいのも良かった。
買ったけどまだ手が付けられてない作品も多い。
自分の生活以外に興味を失いつつある今、またぐにゃぐにゃとした空想の世界に入り込める日は来るだろうか。学生の頃に購入したので20年以上放置している本たち、人生のリミットまでには何とか消化するからね。