テレビで観ました。
「千と千尋の神隠し」を。後半だけチロリと。
2回目か3回目ですがやっぱりというか全然好きになりません。
展開がドタバタしていてよくわかりません。すみません。
その中で好きなシーンはネズミみたいなのが回し車で糸を紡ぐシーン。
あそこは可愛い。
気になるシーンは、最後のハクとのお別れのシーン。
ハクに「振り向くなよ~」みたいなことを言われた千尋がトンネルの中で一瞬ぴくりと首の筋肉神経を集中させるとき、あの瞬間がいいですね。
振り返るな。
この言葉には非常に強い力があります。
首を回す、目で見る、ただそれだけの簡単な行為を禁じられたとき、そこには大きな理由があるはずです。
振り返れば真実を見ることができる。
振り返れば求めていたものを見ることができる。
振り返れば満足できる。
でも。
振り返らばければ真実を知らなくてすむ。
振り返らなければ見なければよかったと悔いなくてすむ。
降り返らないほうが、幸せになれるかもしれない。
難しいですね。
振り返った者は、不幸になることが多いでしょう。
オルフェウスしかり、ロトしかり。鶴の恩返しも似たような話でしょうか。
こんな項目もあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/見るなのタブー
未練を断ち切る、そして新しいスタートを切る。
そんな簡単なことではないと思います。美しかった過去を、振り向いてはいけない。でも振り向いた者を誰が責められるでしょう。
振り向くな。この言葉に大きな理由があるからこそ、みんな振り向いてしまうのかもしれません。
分かってるんでしょうね、災難が降りかかることは。
それでも止められない衝動があるんでしょうね。
千尋がもしあそこで振り返ったらどうなったのでしょう。
またあの変な世界に引き戻されて両親が酢豚にでもされてしまうのでしょうか。それともハクがあの顔のでっかい老婆の奴隷となって全裸で這いつくばっている姿でも見てしますのでしょうか。
何か妙にピリッと来たシーンでした。
よくぞ、耐えた。