地味な記念日の話。

2026年7月4日に開封するお酒があった。この日でなければだめなのであった。
なぜなら指定されてるから。過去の自分に。
10年前、以前勤めていた会社の社員旅行で長野県の諏訪を訪れ、その時に買ったお酒。
「贈る人・育む人・記念日・開栓日」を指定して申し込むと後からラベル印字されたお酒が指定住所に届き、それを開栓日までゆっくりと貯蔵して育むという商品。
熟成純米原酒 時のはぐくみ 720ml


その頃、中古で家を買ったのだった。
それを記念日とした。売買契約成立日ではなく、リフォームとかの目途がつき物理的に引っ越した日を設定。2016年7月4日。
贈る人は私で育む人は私たち夫婦。
20年先は長すぎるなあと10年ぴったりに開けようかなと。
醸造年はいろいろ選べるが、購入した当年のものとし、自らで10年育てることにした。

こんなの買ってきたよ、と報告後床下収納にイン。
その後10年間一度も触ることなく寝かせていた。

2026年7月4日。
開栓の日。
実は6月だったような気がして一度引っ張り出してみたら7月4日って書いてあってああそうかと戻したので一回触ってるじゃないかということになるが、目をつぶって。
開栓の日。
熟成酒には味の濃いお肉なんかが合うのでは?とかイメージしていたはずなのになぜか淡泊めのお刺身など買ってきてしまった。鰤と鯛。
安くて良さそうな柵があったからさ…。

一口。
ん-!これは紹興酒ですね。味も香りも紹興酒。
身も蓋もないが紹興酒ですと言われて出されたら紹興酒ですねと応えてしまうくらいに紹興酒。もちろんね、日本酒なんですけどファーストアタックがガツンと中国。
そして鯛には合わない。鰤には、悪くないです。鰤が脂乗っていて結構いいですね。保険(?)として蒸しあん肝を買っていたのですが、それがとてもマッチしました。
塩気よりやはり脂っけを求める風味のお酒ですね。
これは今日は飲み切らずに、また後日お肉系で飲んでみようかと思いました。

記念日というにはいささかロマンが足りなかったかもしれないけれども、お互い語らずとも10年の歳月を少し思い起こすそんな夜だった。