KAVUの話。

8年間使い続けて使い倒したキャップがある。
KAVUのメッシュキャップ。
アウトドア用って感じだろうか、4,000円くらいで購入して使い倒していた。
キャンプのとき、走るとき、トレランのとき、登山の時。
日常でもかぶっていた。ちょっと街まで出るとき。着用頻度が非常に高かった。キャップをかぶるのが当たり前になっていた。
さすがアメリカ製というか、とにかく丈夫で使っては洗いを8年間続けていても破れほつれ一つなく。品質がいいとかそういう評価軸とは別次元の丈夫さ。ツバも柔らかめの材質だったので型崩れは徐々にあったかもしれないがその歪みも含めてざっくりとしたアメリカを感じられるいいキャップだった。

いいキャップだった。いつ破れるか、いや破れる姿なんて全く想像はついていなかったが破れるまで使い続けるものだと思っていた。これだけ使い続けているので、私のユニフォームみたいなものだった。

先日カラスに襲われまして。
自転車漕いでぷらぷらしてたらバサバサー!って聞こえて??となってたら頭に爪の感覚。びっくりして手で払いのけたもののかぶっていた私のKAVUを掴んだまま飛び去りやがった。

んあーーーーーー!とられたーーーーー!カラス!!?

まさかのお別れ。襲撃のち強奪されてしまった。
自転車止めてカラスの行方を追ったもののフェンスで囲われた私有地の木の上へ私のキャップを持ち去っていった。
奪還、無理!
へろへろな気分になり情けない声で妻に電話してしまった。人に話して状況を整理したかった。話しながら泣きこそしなかったものの、キャップの思い出がぶわわーっと頭を駆け巡る。たいした思い出ではないとは思いつつ、トレランの大会全部それかぶってたので記憶が全て結びついている。

妻には「酔っぱらって失くしたとか自分の過失だとキツいから、最期としてはまだあきらめがつくんじゃない」と言われた。慰めなのかなそれは。気持ちは伝わった。
その後現場近くを通るたびに、フェンスの内側に目を凝らし、いつでも探しているよどっかに君の姿を…。

全然あきらめついてない。