FTR100完走記(後半)2022.10.19~2022.10.20の話。

以下Facebookからの転記。
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FunTrails Round 秩父&奥武蔵 100K/30K、完走いたしました。
初の100kmレース、ちゃんと頑張りました。後編。
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<前回の書き漏れ>
 ゆのたに前の男トレインにて。
ごく一部滑るところがあってツルンからのドシンで尻もちついてしまった。めっちゃひょろい悲鳴が出てしまい前を行く人から「大丈夫ですか!」と声がかかる、恥ずい。私が大丈夫と応えて数秒後に後ろからめっちゃひょろい悲鳴が聞こえた。「大丈夫ですか!!」いやあ滑りますねえとか言ってたらさらにその後ろからめっちゃひょろい悲鳴が聞こえて哀しみの3連鎖。
⑥A5ゆのた~A6子の権現(約10km)
ゆのたエイドから再びの子の権現までは高低図を見る限りでは標高も低いしそんな難しくはなさそうに見える。だけども試走に来ているから知っている。周助山という低山が予想外きついということを。たった300m弱の登りのくせにせっかく回復した体力と気力をごっそりと削ってくるのよここ。そういう磁場なのかしら。
次の子の権現エイドまでは、までも、いつもの通りギザギザ。細かく登って下りて登って下りて。レースも半分を過ぎてだいぶ選手がまばらになった感覚。夜の一人山はちょっと怖い。ナイトランのときは少し立ち止まってヘッドライトを消してみると本当の闇に包まれることができる。今回もちょっとやってみたんだけど暗すぎて頭が回り出したので3秒でライト再点灯。怖いわ。一人の時にやるもんでない。
右膝、どうやら痛めているのだが登りの際の脚には全く影響がないらしい。ガツガツと斜面を進める。
子の権現エイド到着、10kmでも長く感じたのは疲労なのか夜だからなのか。スピードは問題なし。
ここでは温かい汁もので肉うどん。
ああ、いい。
おかわりしたらうどんは一人一杯までだったけど出汁とお肉はもらえた。
ああ、いい。
おいなりさんと黒糖まんじゅうがあったものの残念ながら食欲湧かず。チョコ、塩タブレット、梅干しを摂取。あといつもは美味しくないから飲まないメダリストのアミノ酸コンクをフラスクに補充してみる。いつもは美味しく感じないけど今日はどうかな。
⑦A6子の権現~A7長念寺(約11km)
さあさあ飯能アルプスのおでましだ。ここもお友達と試走済み。そのときは昼間だったし私が案内する形だったので先輩風吹かせて軽々と通過した気がするけど今回は既に60km走った後の上に夜中だ。状況が違う。大きく登ったり下ったりはしないもののずっとギザギザの尾根道で消耗させられる区間。とても嫌だ。
そして痛めた右膝が下りに非常に効いてきてしまったので全く走れずでここから先はもう歩くことにした。無理無理ー。傾斜も木段も全部無理。あと40km以上あるのに不安になった。
飯能アルプスと言えば天覚山。
区間終盤の山で、ここにさえ着けば終わりが見えるのだけども天覚山の前に偽天覚山(偽ピーク)がたっくさんある。数えてないけどたぶん108つはある。これがとにかく辛かった。登れど下れど天覚山は見えず。
細い尾根道、真夜中、眠気。何も起きないはずもなく…。
後方で悲鳴が聞こえて人間が半分滑落してた。
さすがに大声で呼びかけたら「大丈夫けどあぶねえええええええ!」って返って来たので一安心。うん眠いよね。私も気を付けよう。カフェイン入りのリポDとジェルを勢いよく摂取して気合を入れた。
天覚山のバカ!もう知らない!って思いながらなんとか飯能アルプスを歩き終えてロードへ。長念寺エイド着。
いつも通り水分補充、チョコ、塩タブレット。暖かい食べものはすいとん。小麦粉の塊ベロベロで美味しい。もっと炭水化物摂った方がよさそうだったのでおにぎりを2つ。
エイドごとに体を温めさせてくれるのは本当に嬉しかった。極寒ではなかったものの動きを止めるとやはり寒いもので、ストーブの周りで動けなくなっている選手多数。仮眠テントもそれなりに繁盛。
膝の痛み軽減のおまじないとしてニューハレのスタッフの方のテーピングサービスを受ける。無料でありがたく。
いやあ、しかし本当に辛かった。
⑧A7長念寺~A8高山不動(約13km)
エイドには長居したくないと思いつつ、やっぱりちょっと後ろ髪引かれる。坊主だけど。
次の13kmは割とメリハリのあるコース、きゅっと登ってきゅっと登って。あまり激しい下りがないのが今の私には優しい。むしろ登りはどんとこいと。
ユガテという謎の集落を経て登り返し八徳という謎の集落を経て登り返すこの区間、私の根性が火を吹いた。なぜか登りには全く影響のない右膝のおかげもあり、結構な人数を抜けたと思う。八徳の長いつづら登りでみんながへばってるのを横目に眠気対策でフンガフンガ言いながら全部で15人は抜いたのでは。道端で寝ていた人も含む。
いつもはスピードが遅いので抜かれてばかりだから稀有な体験。おそらくこんなの初めて。カイ…カン…。そう、さよならは別れの言葉じゃなくて再び逢うまでの遠い約束なのだ。
そのままの勢いで高山不動のいやに長い階段も駆け上り高山不動エイドに到着。後ろにいた人たちを大きく引き離した感覚がある。ちょっと眠くてボーっとしたときもあったけど後半に来て覚醒、気分爽快だ。
少し空も薄明るくなってきた頃、エイドではおでんとフルーツポンチを食べた。水分補充、チョコ、塩タブレット、あとジンジャーエール
残り22km、ゴールしているイメージがより濃くなった。
⑨A8高山不動~A9県民の森(約10km)
関八州見晴台を経て、奥武蔵グリーンラインとその脇のトレイルを出たり入ったりしながらいくつかの峠を越えて次のエイドまで。途中ですっかり夜が明けて頭の重しとなっていたヘッドライトを外す。いよいよな気分。
ロードは膝に衝撃が来る。ここに来てやっぱり脚が辛くなってしまったのでぼんやりと歩く時間がだいぶ増えた。ほぼ歩きだ。少し走ってみるが痛みが出るとすぐ止めるを繰り返す、あとなんか独り言も妙に増えた。しかしスピードを抑えた分体力が回復してきた感じもある。この時点で完走自体は全く問題ない時刻だったので、無理して脚使って怪我でもしたら馬鹿らしいのでもう割り切って徒歩。
県民の森エイドは最後のエイドということもあり、少し華やかで緩い雰囲気が漂っていた。サンタ帽で写真撮ってたりずっと音楽が流れていたり。ここまで来た人はもう大丈夫だろう。
温かな雑炊をいただく。食べ放題とか言われたので2杯。美味しいなあ。水分補充、チョコ、塩タブレット。このルーティンは最後まで。ランチパックどうぞ~って声かけられたのでいただくも、これはスナックサンドだ。ランチパックではない。フジパンのスナックサンドだ。
リポDのゼリーが再び配られていたのでもらって早々にエイドを出発。疲れもだいぶ取れていたし気持ちが早っていたのかな。
⑩A9県民の森~フィニッシュ(約12km)
ラスト12km。ほぼ下り、膝、死す!!
だいたいの選手にはラストのボーナスステージだったと思うんだけど最後マジきつい。下りが終わらない。膝が痛い。バンバン抜かれる。割とつるつるした路面で気を遣いながらだからもう歩みが小鹿みたいだった。超プルプル。
貯金を食いつぶしてもまだ余裕があるとはいえ、少し色気が出てしまうのも性。長い長い下りが終わってロードに出てからちょっと走ってみたら、やっぱり!膝!死す!!
おとなしくしよう。
最後の5kmくらいはスタート直後に通った道を逆にたどるコースとなるため昨日見た風景を違う方向から再び眺めることとなる。この道は、いつか来た道。走れないことをもどかしく思いつつぽてぽてしていると、なんとなく道中同じペースで進んでいた人たちとまた会った。もうみんな仲間だ。もうちょっとですね~なんて声かけあいながらどっかで出し抜いてやろうと思っていたりいなかったり。
本当に最後、トレイルに入って3kmくらいでフィニッシュの羊山公園に突入することとなる。私と同じく膝痛めたあんちゃん、私以上に走るのを諦めたご婦人、100kmの間にしょっちゅうしょっちゅう追い越し追い越されしていてさすがにお互い顔見知りになったおじさん、そして私の奇妙な連帯。このままいくかなーと思ってたらあんちゃんが「今から走れば正午までにゴールできますよね」と一人呟き抜け駆けを図る。あ、こら!すぐ崩れる脆い連帯。所詮は知らない者同士。
おじさんと私が顔を見合わせよし行くかの雰囲気を作る。やるまいと思っていたラストスパートに入ってしまった。膝よ。
そこからはおじさんと私で結構な本気走りをした。あんちゃんは早々に脱落。残り1kmの表示を過ぎる。
私が脚痛くて止まろっかなぁという気配を見せてたら急におじさんが「痛みなんか気のせいだ」「人間やってやれないことはない」「無理というのは嘘吐きの言葉なんですよ」と全盛期のワタミみたいなことを言い出して私を走り止めさせてくれなくなった。は、はい喜んで!!
案外1kmって長ぇなあと感じつつ見知った公園登場。あ、羊がいる。羊山公園ってこういうことか。あ、人間もいる。アーお友達だ、妻もいた。ゴールだなぁ…。
…。
おじさんと二人で一緒にガッツポーズして同時にゴールテープ切ろうって話して、これで、ゴール。っしゃーーーー!(いい写真撮ってもらってた)
おしまい。
ゴールしたらお友達がみんな応援に来てくれていたことに気づきました。ありがとうございます。良き仲間に恵まれました。妻は4時間以上早くゴールしてた。なにそれそんな子に育てた覚えないすごい。
おじさんとは握手してお疲れをした。最後引っ張ってくれて助かりました。いろんな人に手伝ってもらいながら力を発揮できて初100km完走できました。
今年はこれで打ち止め。大変お疲れさまでした。
私にもできたんでだいたいの人間には可能と思います。皆さんもぜひどうぞ。